自宅で療養をする人にとってのキーマン

長年住み慣れた自宅で病気の治療を受けたいと願う人は、入院治療から在宅医療に切り替えることも可能です。
しかし、そのためには訪問診療を行ってくれる主治医を見つけ、病院の医師から治療内容や疾患など必要な情報を引き継いでもらう必要があります。
また、身体状況によっては在宅医療を受けるために必要な介護ベッドや在宅酸素投与機器のような医療機器も手配してもらわなければなりません。

それから、在宅医療の場合は主治医が定期的に訪問診療を行うことになりますが、ここで大いに力を発揮するのが訪問看護師です。
訪問看護師は主治医の指示に従い薬剤投与などの看護ケアを行いますが、その他にもたくさんの役割を担います。
まず、自宅での療養環境を整えるための福祉用品や家族が行う看護についてのアドバイスは、初めて在宅医療を受ける患者や看護を行う家族には必要不可欠です。
そして、血圧や脈拍などの全身状態の確認と観察を定期的に行い、状態に変化があった時には主治医に報告をして、迅速に対応する役割を果たします。

患者の家族は、患者本人の性格や人柄については十分理解しているものの、病気の時の症状の変化や対応の仕方については素人です。
腹痛や発熱などの変化が起こると心配になり、動揺してしまいます。
そのような場合でも、訪問看護師が速やかに応対できれば、いざというときでも落ち着いて在宅医療を続けることだできます。
したがって、自宅で闘病生活を送る患者やその家族にとっては、訪問看護師はとても頼りになる存在なのです。